テレワーク問題解決の基礎

テレワーク導入時の問題を速やかに解決し、リモートの働き方を定着させることは変化に適応する組織の必須条件

テレワークで生じる生産性に関わる問題を効果的に解決する為には、問題の要因とその因果関係を整理し、俯瞰的に問題の全体構造を把握することが肝要です。
 


 

求められる変化への適応

 
テレワークを始めているが、従来のオフィスワークと比べてなかなかうまくワークしないと感じている組織は少なくありません。
タイムリーにコミュニケーションが取りづらい」、「オンオフの切り替えがし辛い」「相手の状況を把握し辛い」といった問題をみなさんも感じたり、耳にすることが多いと思います。
テレワークの導入は、組織において変化への適応が要求されるケースの一つです。
発生する問題の要因を特定し、解決策を講じて速やかに適応することが求められます。
 
問題の整理」→「課題の特定」→「改善施策の策定・実行」→「効果検証
 
を個人でのみならず、チームで実行する力が問われます。
テレワークのメリットを最大限に引き出して定着させていくためには、導入初期に生じる問題やリスクをできるだけ早期に最少化することが必要です。
従来と比べて生産性が損なわれていると感じる問題点に対して、チームで主体的に対処していかなければなりません。 
 

テレワークで生じるコミュニケーションの問題はしっかり定義する

 
多くの組織で挙げられるコミュニケーションの問題は、コミュニケーションの相手や目的によってその本質は大きく変わってきます。
ですから対象とするコミュニケーションの問題を定義し、改善のインパクトや難易度を想定して「優先すべき課題」をしっかりと見極める必要があります。
またコミュニケーションの問題は、もともとオフィスワークにおいても潜在的に存在していた問題がテレワークの開始によって顕著に現れるケースも少なくありません。
このようにそもそも見つけにくい問題も俯瞰的な視点から洗い出していくことが大切です。
 

テレワーク活用と定着に要求されるスキル

 
テレワークの問題を解決するためはにいくつかの重要なスキルがあります。
 

    1. 論理的思考力 問題の本質を整理し、対応策を論理的に構築する力
    2. 自己管理力 監視の目がない環境で自己を統制し、生産性を維持するために必要な能力
    3. 自己発信力 リモート環境でのコミュニケーションは、言語化し発信する力が大切です
    4. 受容力 相互にお互いの意見を尊重し受容れる力がチームの心理的安全性を確立させます。
    5. ITリテラシー テレワークの生産性を高めるためにITツールの活用は不可欠です。

 
多様な着眼点から問題の要因を紐解き、本質的な課題を整理する論理的思考力は不可欠です。
更にチームメンバー自らがPDCAを回す力を身に着けていくことで、テレワークに適応していくだけでなく、どんな変化にも対応していくことができるレジリエンスの高い組織づくりに繋がっていくのです。 
 

導入→適合→活用とテレワークを新たな価値創出基盤に進化させる

 
個人、又はチームでテレワークのさまざまな問題解決を繰り返していくことで、段階的にテレワークの活用レベルを高めていくことができます。
 
【テレワーク活用3フェーズ】
 
 1.導入フェーズ・・・オフィスワークからの変化をとらえきれず、従来のやり方との差異に対応しきれていない状態
 
 2.適合フェーズ・・・利点がリスクや不便を上回り、生産性が向上したことを実感できる状態
 
 3.活用フェーズ・・・不安や不便を引き起こす問題を概ね解消し、日常的な就業基盤としてほぼ確立し、継続的改善を通じて、顧客価値を高めながら生産性を向上し続ける状態
 

テレワーク生産性改善曲線

 
テレワークの導入直後は、オフィスワークとの違いについて整理がつかないまま不便や不安をたくさん抱えてしまい、「生産性が以前より落ちた」と感じる人がいずれの調査でも6割を超えています。
解決が進まず「導入フェーズ 」が長引いていしまうケースも少なからずあるようですが、定着に向けてできるだけ早期に改善を進行させることが重要です。
 

組織のケーパビリティも問題解決に大きく影響

 
テレワーク適応の難易度は組織によって全く異なるものです。
従業員のスキルやマインド」、「これまでの組織文化」、「パフォーマンスを評価する仕組みや制度」や「チームメンバー同士の信頼関係」など、組織の特性やケーパビリティは千差万別です。
他社で有効なツールや制度が、コンテキストの異なる自組織に必ずしも適合するとは限りません。
ですから、テレワークの問題を抱える組織は、まず最初に自組織の特性(強みや弱み)に関心を持ち、客観的に評価することが必要となってきます。
問題が発生している理由について、チームメンバーからさまざまな視点の意見を集め、みんなで問題の構造を論理的に整理していくアプローチしてみるとよいでしょう。
私たちは、テレワークの問題解決への取り組みが、チームの主体的な組織開発を喚起させるよいきっかけになることが望ましいと考えています。

テレワーク問題解決基礎セミナー

フィールグローのテレワーク問題解決基礎セミナーでは、チームメンバーと共にテレワークで実際に生じている問題を対象として、対処すべき課題と解決施策を明らかにしていきます。

市場変化に適応し続ける組織をつくるチャレンジの一環と捉え、チームが継続的に変化に適応していく取り組みについて現状の問題点を取り上げて学習しながら思考を実践していくセッションとなっております。